これぞ究極のエコ!?
Wave Energyが提供する電気自動車充電システム

株式会社 Wave Energy
取締役 本部長
営業本部長
山田克己 氏

オートモーティブワールド事務局 RX Japan
2023年7月10日

9月に開催される「 第2回 オートモーティブワールド2023-クルマの先端技術展」。今回同展に初出展される株式会社 Wave Energy 取締役 本部長 営業本部長 山田克己氏のインタビューをお届けします。配電盤設備、再生可能エネルギー、EV蓄電システムなどをトータルで開発する同社が今回出展する製品群について、そのメリットやストロングポイント、また設備導入の際の注意点など、興味深いお話をたくさんお聴きしました。

Wave Energyってどんな会社?

ー まず最初に、会社のはじまりや歴史など御社について簡単にお教えいただければと思います。

山田  弊社は1972年に広島で創業し、昨年で50年を迎えた会社です。主に配電盤といって、ビルや工場などに必ず設置され電気を安全かつ、使い勝手よく利用できるようにする電機設備の設計・製作を行なっています。現在も三菱電機さんから発売されている薄型の高圧受電設備「FF式キュービクル」は弊社で開発した製品です。
弊社は、もともとは三菱電機さんの神戸製作所や伊丹製作所の下請けという形でスタートしましたが、2004年頃から三菱電機さん以外の各社と幅広く取引をさせていただくようになりました。また2012年に再生可能エネルギーを固定価格で買い取ってくれる「FIT制度」がはじまったのを機に、太陽光関係の製品の自社開発品を市場に投入しました。そして2014年に東京へ本社を移し、社名を「Wave Energy」に変更し現在に至ります。ちなみに社名は83年に創業当初の「庄原電機」から「ヒロセイ」に変更をし、2014年が2度目の変更になります。

ー これまでに2度の社名変更を経験されたとのことですが、現在の社名に変更された経緯や、社名に込められた想いなどをお聴きかせいただけますか。

山田  東京へ本社を移すタイミングでの社名変更ということもあり、今後の海外展開などを視野に入れて英語表記にしました。弊社はエネルギー関係の製品開発を行なっていますので、「エネルギーの波に乗る」というイメージで「Wave Energy」としております。

 

オートモーティブワールドへ出展を決めた理由

ー 続いて今回「オートモーティブワールド展」にご出展を決めていただいた理由や背景を教えていただけますか。

山田  これまで10年ほど、太陽光発電関係の展示会に出展してきましたが、現在は自業的には太陽光発電は減ってきており、スマートエネルギーの方向にシフトしつつあくまで再生可能エネルギーの分野で開発を進めてきていました。また再エネだけで構成する事例も減少傾向にある中で、今後は脱炭素という観点から電気自動車や水素エネルギーに注目し、もともと弊社が作っていた電気自動車を動かす電源設備に、太陽光発電の技術やバイオマスなどの再エネ製品、そして電源を供給するための電源設備を組み合わせ、電気自動車用の急速充電器をリンクさせてエネルギーの自給自足ができないかと考えたのが今回出展する製品群です。
つまり、太陽光で作った電気を蓄電池に貯めて、その電気を使って急速充電器を動かして電気自動車に充電をするというシステムですね。これが一貫してコントロールできれば、発電所から電気を買うのではなく、自前で作った電気で自社の電気自動車を充電することができるわけです。これなら最初の設備投資だけでランニングコストは必要なくなりますよね。そういったことをご提案したくて、今回オートモーティブワールド展への出展を決めました。
今後どんどん自動車が電気自動車化していくと、みなさんの関心も高まってくると思いますし、クルマ業界の方々も多く来場されていたので、工場や販売店舗などに太陽光発電・蓄電池・配電設備・急速充電器をセットして「ランニングコスト(電気代)を下げませんか」ということをご提案できたらと思い、出展を決意しました。

Wave Energyの急速充電器システムとは

ー 今回ご出展される製品やシステムについて、もう少し詳しくご説明いただけますか。

山田  今回出展する製品は急速充電器本体で、これは弊社が代理店契約をしているメーカーさんのものになります。高圧で電気を買ってそこから急速充電器に電気を送るんですが、それに必要な配電盤や太陽光発電用のパワーコンディショナー、蓄電池、そしてそれをすべて遠隔でコントロールできる制御システムもセットで展示します。

ー それらの製品における使用用途や、どのようなシーンで活用できるのかなどセールスポイントを教えてください。

山田  使う場所でいうと一番多いのは工場関係ですね。それからクルマのディーラーさん、運送会社の集配所の店舗、あとトラックの待機場所やバス会社、引越し業者、ショッピングモール、そして公共の場でいうと道の駅やサービスエリアなどですね。また今後は、おそらく警察署や郵便局、市役所などでも使うようになると思います。

ー 展示会当日は、やはり今おっしゃった施設や企業の方々に特にご来場いただきたいというところでしょうか。

山田  そうですね。現状も太陽光発電だけの分野でいうと、今申し上げた各業種の方々にはすでに製品を納品させていただいているんですが、みなさん太陽光発電分野に限った担当者の方なので、クルマの電化というところでは意外と自社でクルマを電気化するという動きをされている企業さんは少ないんです。また、クルマのディーラーさんにしても、まだそんなに電気自動車をたくさん販売しているわけではないので「どのようにアプローチしていいかわからない」とか、ただ単に「電化すると環境にいいですよ」というようなプレゼンしかできない部分もありましたので、実は電化することによってガソリン(=燃料)を買わなくていい時代が来るということ、つまり燃料を自社で作って自動車を動かすことができるということを知らない方が多いので、そのようなことを発信していけたらと思ってます。

Wave Energyだから提供できるメリットとは

ー 今回のご出展される製品で、特に注目して欲しいポイントなどがあれば教えてください。

山田  いろんなライバル会社さんがいらっしゃる中で、弊社の製品のウリは他社様の製品に比べ、半分とまでは言わないですが、ひとまわりもふたまわりも製品サイズが小さいというところですね。
また、保守やメンテナンスを極力減らしているというところも大きなセールスポイントです。たとえば、ほとんどの製品は保守をするために360度スペースを確保しなくてはならないという問題があるんですが、弊社の製品のほとんどが正面スペースだけの確保で済んでしまうんです。設置の際に壁付けができるため、設置面積は他社の半分以下くらいで済んでしまいます。さらに単品での販売をされている会社がほとんどのため、施主側としてはA社、B社、C社、D社からそれぞれ製品を購入し、それを自社で組み合わせていくという一手間があるのに対し、弊社の場合はすべての製品をまとめてご提供することができるため、保守や保証、施工面での手間を大幅に省くことができます。

ー なるほど。設置する側からしたらいろんな会社とやりとりせず、一本化できるのは大きなメリットですよね。

山田  はい。それと、よくあることなのですが、複数社から製品を購入していた場合で、何か異常が発生したときに、一つ一つの製品は問題ないという場合、製品と製品を繋ぐ部分のメンテナンスは誰が面倒を見るのかという問題があります。

ー 確かに、誰がメンテナンスをするのかが曖昧ですね。

山田  あと事故があった場合に、どちらの製品の影響による事故なのかなどで責任の擦り合いが起きかねないんですね。購入される製品と製品が別物ということになりますので、それぞれ個別に監視はできても全体を見ることはできません。それに対して弊社の場合は、すべてをまとめて監視することができるので、どこの何が原因でこのような事故が起きたという状況把握もスムーズにすることができます。このようにすべてを一元化することができるのは、今のところ国内では弊社以外にありませんので、製品のクオリティだけでなく全体のシステムという部分でもメリットを提供できると思っています。

ー 貴社だけにしか提供することのできないサービスということなんですね。素晴らしいです。

電気代の仕組みを知らずに導入する危険性について

ー ちなみに最近ショッピングモールなんかでも、電気自動車の充電器がありますけど、無料で充電できるところも多いじゃないですか。

山田  はい。それについてもお伝えしておきたいのですが、みなさんショッピングモールなどで、無料で充電ができるので電気料金というものはそんなに高くないという認識をお持ちかもしれないですが、実は小売店舗などでショッピングモールと同じように急速充電器一台を置いた場合の電気代は、普段の10倍になってしまうということがあり得ます。
たとえばSDカードのようなものを思い浮かべていただくとわかりやすいんですが、5メガと5ギガと50ギガのSDカードがあるとして、5メガのカードが1,000円だからといって5ギガが1万円、50ギガが10万円とはならないですよね。それと同じことが電気にも言えます。急速充電器は大体200kWの容量を使用しますが、もともとショッピングモールなどでは50ギガなどの巨大な電気を使っているため、50ギガ中の200kWとなり大した額にはなりません。でも5メガの容量しかない小売店で同じことをした場合、5メガ中200kW となり先ほどと割合が全然違ってきますよね。だからものすごい電気料金を支払わなくてはいけなくなってしまうというわけなんです。
たとえば、ユニクロさんとかABCマートさんなどの小売店舗で使用している電気は約2〜30kWなんですが、大体1年間で200〜300万円くらいの電気代を支払っています。そこに200kWの急速充電器を置くということは、単純に10倍、つまり2000〜3000万円になってしまうというわけです。一回使うと2000万円の支払いが来るということなので、結構怖い話なんですよ。

ー 恐ろしいですね…

山田  電気代と電気容量の関係を知らずに急速充電器を導入してしまうと、宝の持ち腐れじゃないですけど、電気代が高すぎて無用の長物になってしまいかねません。去年くらいから急速充電器を導入され方で、今も使っていないという方などもいらっしゃいます。だから電気を買って使うのではなく、自分で作って使いましょうということをお伝えしたいんですね。そのことを今、みなさんに説明して回っているというところです。

ー  コストが高すぎて使えないということですよね。なるほど、そこに御社のご提案が生きてくるわけですね。

山田  はい。結局2,000万の電気代を払うくらいなら、2,000万で発電設備を手に入れた方がいいですよね。ほぼ一年でタダになるわけじゃないですか。極端な話、それくらいのメリットがあるということですね。

ー なるほど。本日は興味深いお話をありがとうございます。オートモーティブワールドでの展示も楽しみにしています。

 

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